夜半の激しい雨足は嘘のように静まり、昼前には夏空が広がった. 『五月晴れ』とは本来梅雨どきのこんな日のことなんだそうだ. 近所の畑で気の早い向日葵が爽やかな風にゆれ、陽光に微笑んでいた.

一年の折り返しに当たる今日、NHKの昼時の番組『ふるさと一番』で京都の北の天満宮の『夏越えのお祓へ(なごえのおはらえ)』を紹介していた. 先週、東京の愛宕神社で見てきた茅の輪潜りと同じ趣向の神事である.
ここでは広い境内の中央に設えられた茅の輪を左・右・左と8の字を描くように廻って潜りぬけることで半年間の罪や穢れが祓え清められるとされている. この神事が行われるのは何故か午後4時から.
また、紙の人型に名前と数え年を記入して3度息を吹きかけたものを身代わりとして賽銭と共におお祓えに差し出すこともできる. いずれかの方法で厄難を祓え、すがすがしい気持で夏を迎えようという趣意なのだ.
インターネットで偶然出会った『京都を歩くアルバム』というブログが白峯神宮の『夏越祓え』の神事を写真入りで掲載していた.
その中に、NHKの番組でも紹介された和菓子『水無月』について、関西ではオマジナイとしてこのお菓子を食べる習慣があり、30日だけでなく6月になったら売り出されるとあった. 写真の右側の三角がそうで、左は『くず桜餅』、抹茶と合いそう.(写真は上記ブログから頂いた)

咲く花の色合いも次第に夏らしい濃い色になってきた.
明日から7月. 深紅の立葵が咲き終わる頃梅雨が明ける.
咲きのぼる
葵は花の向き決めず
上村占魚
梅雨入りの頃から庭先で咲き始めたアジサイも淡紅色から紫色に変化して間もなく花期が終わる.大いなる鞠より昏れて
濃紫陽花
川澄祐勝
ひと足遅れて咲き始めた額紫陽花は今が盛りである. その優しく静かな風情は茶人に好まれているようだ.

歳時記によると、芒種(6月6日頃)から小暑(7月8日頃)の前日までを『仲夏』と呼んでいる. これは陰暦の5月にあたり、雨の最も多い季節である.
芭蕉の
五月雨を
あつめて早し最上川
は仲夏の句なんだ.

昔は北海道か高原に行かなきゃ見られなかったラベンダーが、品種改良によりどこにでも育つようになった. 旅の楽しみが一つ減ったとも言える. 地中海沿岸地方の原産で、ヨーロッパではその芳香が好まれローマ時代から栽培されていた.
火の山の裾より青しラベンダー
木村敏男
ラベンダーの風が押しゆく地平線
青柳照葉
ラベンダーはやはり広大な自然の中に群生する姿が一番美しい.

