またしてもかっての仕事の仲間の一人が美術展で入賞した.
若い頃夢中になった時代もあったという金野さん. 現職を退いたのを機に40年ぶりで絵筆を取ったら満更でもないことが判り、今お小遣いの大半を油絵の材料や取材に費やしている. 昔から風景を描くのが好きだった.
三年前に小岩井農場の冬景色を描いた力作を更に加筆して太平洋展に出展したら佳作に入った. 出展三回目の快挙である.

太平洋展で佳作マツダ賞を受賞し、会友推挙となった金野さんの作品 《雪晴れ》
会場には金野さんのもう一幅の絵《中津川》も、その上側に出展されていた.
出身地、盛岡の冬景色なのだが、もしどちらかを選べと訊かれると筆者は即座にこちらにする. 街の佇まい、残雪のアクセント、川面に映るビルの影そのどれもが旅情をかきたてる. 奥行きの深い構図も好きである.



金野さんと出展品を一通り見て廻った.
油彩のほかにも水彩画、版画、彫刻、染織など多岐に亘る出品作品は100年を超える歴史と伝統を感じるが、美術結社としてのアイデンティティをもってやっているわけではなさそう. 特に油彩は玉石混交という印象を受けた.
会長の鈴木克久氏の作品 《パリの裏通り》


アトリウムのテラスで爽やかな風を受けビールのジョッキを空ける. 風景画と風景写真に付いて語り合い、愉しいひと時が過ぎて行った.
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